オルマメットと光
オルシュファン死後
エーテルに還るということは、穏やかな時の流れをただ静かに揺蕩うものなのかと漠然と思っていた。
だが実際にはそんなに易しいものではなかった。
無茶をしては倒れる友の魂と肉体を。壊れぬように、これ以上傷つくことのないように、優しく丁寧にエーテル溜まりまで運び、そして癒す。
その繰り返しだ。
以前の友はこれほど無茶をする人ではなかったはずだ。
ため息をつきながら、エーテライトで目覚める友の顔をうかがう
友は癒された体を眺めため息をつく
「また死ねなかった」
その言葉を聞いて凍り付く。
今彼に私が出来ることなど何もなくなってしまったのに。
手先の器用な彼は、私に似たマメットを作りだした
『少し可愛らしすぎるのではないか?』
苦笑いで真剣な彼の表情を見つめる
「・・・オルシュファン」
そのマメットに聴き取れぬほどの小声で話しかける友の頭にそっと手を置く。
目が覚めるとマメットの中に魂が取り込まれていた
彼を触れられる体を手にいれたのだ!
こんなにうれしいことはない!
どうだ!!帰ってきたぞ!これでいつか約束したお前と旅にでることができるぞ!
大声で叫んでいるのに声はでていないらしい。
ほら、友が怪訝な表情で私を見つめている
私がわからんようだな?よし、これならどうだ、と小さな手を握りしめ
「イイ!」と彼向かってに何度もしたポーズをとった
とたんに彼は涙をこぼし。フワフワと柔らかい体の私を抱き上げた。
おわり